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第138回直木賞受賞作予想 のこと。

さてさて、直木賞の方ですが。
今回も、候補作は1作しか読んでません。読んでませんけれども、状況証拠のみを頼りに犯人を推理…じゃない、受賞者を予想してみたいと思います。


かるあ予想
 ◎佐々木譲「警官の血」
 ○黒川博行「悪果」
 △馳星周「約束の地で」
 ×桜庭一樹「私の男」

既読の一作品とは桜庭一樹「私の男」である。これはかなり面白くて、候補作の中では唯一文藝春秋刊ということもあり、本命に据えたい気持ちはやまやまなのだが、題材に問題があるような…。例えばこの作品をえろげーとかAVにしたとしたら発禁でしょうな。文学ならいいのか?文学なら賞を獲得した素晴らしい内容の本ですよと頒布していいのか?という疑問が残るのであえて大穴としました。

佐々木譲「警官の血」を本命としたのは、今更こんなベテラン作家を候補に挙げた末「残念でした」とはなかなか言い出せないのではと。なんといっても候補作となるのは20年ぶり2回目ですからねえ…。あと夕張出身ということで、例えば選考会がなかなか受賞作を絞れない運びになったとき「まぁ今回は夕張に明るいニュースを」みたいに日和ることも考えられそうなので。

黒川博行についても、候補に挙がるのは5回目、しかもベテランだから落としにくいだろう、という消極的な理由。選考委員に北方謙三がいるので、「ハードボイルドはダメだろ」とは言い出しにくい雰囲気になるだろう、という読み。

馳星周は完全に個人的な希望です。北海道が舞台なので。彼もノミネート5回目だし、目がないわけでもない。がんばってほしいものです。

古処さんはなあ…。こういっちゃなんですが、あんまり売れてる訳じゃないしなあ。戦争ものはこのご時世あんまり歓迎されない気がするしなあ。とはいえ、彼の初期作品はかなり気に入ってるので、応援したい気持ちはあるのですが。「少年たちの密室」は私のおすすめ推理小説ベスト50には入ると思います。

井上荒野はお父様の後光をもってしても今回は難しいと思うのですが。初エントリーで短編集というのはねえ。朱川湊人の例はありますが、あれからあんまり年数経ってないし、文春刊でもないので。


前回は大ハズレで盛大に恥をさらして終わりましたが今回はどうでしょう。
ちなみに「文学賞メッタ斬り!」予想では「私の男」のようですねー。

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第138回芥川賞受賞作予想 のこと。

さて今年もこの時期がやって参りました。

今回のエントリーは7作品。前回のエントリー作品がカタカナばかりで石原慎太郎が「いいかげんにしろ」とキレていたためか、今回は落ち着いたタイトルが多いですね。
とりあえず6作品読みましたので短評つけようと思います。


・山崎ナオコーラ「カツラ美容室別室」
今時の若者の不器用な人間関係や、ぬるい恋愛感情などが書かれています。キャラクターにあまり魅力を感じられないのが難点。

・楊逸「ワンちゃん」
著者は中国の方。主人公も中国人で、日本人男性と中国人女性のお見合いを斡旋しているという設定。昔いっとき話題になった「ジャパゆきさん」+昼メロという感じにしか受け取れませんでした。

・川上未映子「乳と卵」
前回の作品は「なんじゃこら」という感じでしたが、私が慣れたのか彼女が折れたのか、今作は面白く読めました。豊胸手術のために上京した姉と、思春期真っ最中で母の態度を否定し口をきかなくなった姪について、リズミカルな大阪弁で語られてゆくのが心地よいかんじ。しかし前作もそうだったが、なぜか終盤でストーリーが「おいおいおい」という方向へ…。もう少し軟着陸を試みられないのか。

・津村記久子「カソウスキの行方」
この作品も、いまいち恋愛に熱くなれない今時の若者(といっても29歳だが)を書いていて、審査員の方は食傷気味でしょう。後輩の不倫のとばっちりで閑職へ、恋愛もどきのようなことを経て本社復帰、っていうストーリーがテンポの悪いレディコミを読んだ気分にさせられました。

・中山智幸「空で歌う」
やっとまともな性欲を携えた青年が出てくるお話し。弟と死んだ兄、そして兄の元彼女、という関係性が前回受賞の「アサッテの人」に若干だぶる感じがしますが、個人的にはなかなか好みの作品でした。ストーリー的には平凡。死んだ兄という人が星や宇宙に興味を持っていたということで、人間関係などが天体になぞらえられるのがちょっといいな、と思ったのですが、山田詠美あたりには「けっ」と言われそうな気もします。

・西村賢太「小銭を数える」
古い言葉遣いや今はあまり遣われていない漢字が多用されており、石原慎太郎はご満足か、と思いながら読み始めたがこれはない…。今回の人間失格枠。読んでて胸糞が悪くなるような内容だが、これが私小説なのがさらにすごい。あんまり公序良俗に反するような作品を大宣伝して売るわけに行かぬと思うし、これの受賞はないんじゃないかなあ。


田中慎也「切れた鎖」は未読です。とほほ。
とりあえず6作品の中で予想するとすると、

 ◎川上未映子「乳と卵」
 △中山智幸「空で歌う」

でしょうか。ハッとするようなめぼしいものは今回はお目にかかれませんでした。
そして今ちらっと「文学賞メッタ斬り!」のページをのぞいてきたら、本命は川上氏でしたが中山氏は無印どころか最低評価のCだった…。やっぱストーリーがだめなのかしら。それとも私のセンスが論外なんでしょうか…。

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